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2007年5月18日 (金)

報道被害

福島県会津若松市母親殺害事件に関する静岡新聞の報道に接し感じたこと

 事件の第一報は5月15日(木)の夕刊でした。

 まず私が違和感を感じたのは、自首をした少年を「県立高校3年の男子生徒(17)」としていること、記事の本文でも常に「男子生徒」または「生徒」と表現。なぜ、わざわざ生徒と表現しなくてはならないのか。生徒であることと事件とは少なくてもこの時点ではなんら関係がないことです。「17歳少年」とか「17歳男子」という記述ではいけないのでしょうか。

 次に、記事本文の最初の段落に「不登校」や「精神科」の文字が躍る。「県などによると、最近は不登校のような状態で、精神的に不安定だった。精神科の専門医の治療を受けていたという。(本文引用)」記者はこれによって何を伝えようとしたのか。不登校や精神科の治療と事件との関連をうかがわせるような表現をなぜあえてするのでしょうか。記者は、学校に行かなかったり、精神科に通っていることで社会からの心理的圧力を受けたり、さまざまな不利益を被っている人々がいることを想像できないのでしょうか。

 学校に行かないということがそもそも異常なのだという、社会的偏見に迎合した記者の姿勢が問題です。さしあたり得られる情報に飛びついただけならば、「それみたことか」と野次馬的読者を喜ばすだけで、事件と加害者像を歪める効果しかありません。日本の犯罪報道はこういう小さい穴からステレオタイプを作り出し、差別偏見の芽を助長させている。事件そのものはとてもショッキングです。しかし、それだけに節度と配慮を持った報道であるべきだと考えます。

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